大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第17号− 2005年01月27日発行


ノロウイルス特別講演会を開催!

 新聞報道でご存知のように、昨年末から今年1月にかけて、例年のように感染性胃腸炎、特にノロウイルス感染性胃腸炎が多数発生しています。今年は高齢者介護施設での発生が多く、発症が原因で、高齢者や幼児に亡くなった方々もおられます。

 大阪府内(大阪市、堺市を除く)でも、昨年12月から1月18日現在まで、18件の集団発生が報告されており、有症者数は843名になっています。このうち14件は社会福祉施設、3件は医療施設でした。

 ノロウイルス感染性胃腸炎は、大人では通常、発症期間が1日から2日と短く、症状も吐き気と下痢だけの場合が多いため、それほど深刻な感染症ではありません。ただ、非常に感染力が強く、10個から100個のウイルスで感染します。また、高齢者介護施設での集団発生が多発し、死亡例も出ていることから、大阪府では深刻にとらえて各種の対策を行っています。

 公衛研でも1月19日ノロウイルス特別講演会(臨時公衛研セミナー)を行い、ノロウイルスの検査法と集団発生事例の紹介、感染防御の方法などについて報告しました。会場には保健所や他の自治体職員なども多数参加されており、活発な質疑応答がなされました。

 患者さんの便・吐物など試料採集・運搬方法に関する質問では、当所ではノロウイルスだけではなく同じような症状を引き起こす病原体も検査しており、親指大以上の試料を乾燥させないで(できれば所定の容器に入れて)運搬することをお願いしましたが、紙おむつなどのままの場合でも便が乾燥しないようにビニール袋などに入れれば検査できることが説明されました。

 ノロウイルスは吐物等が除かれたところからでも、十分な消毒がされていなければ感染する事例が報告されました。このウイルスはアルコールでは消毒力が弱く、次亜塩素酸ナトリウム溶液が有効で、家庭ではキッチンハイターを薄めて用いる方法もあります。ただ、腐食性があり、酸と混ぜると塩素ガスが発生しますので注意が必要です。汚染したドアノブから感染が広がった例もあり、手洗いとうがいの励行が大事です。流水での手洗いでも効果があります。

(ウイルス課 山崎)


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