大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第17号− 2005年01月27日発行


大阪府内で2004年5、6月に多発したノロウイルス集団発生!

 2004年5月-6月にかけて小学校を中心にノロウイルスの集団発生が多発しました。日本の小児ノロウイルス感染の流行期は一般的に晩秋から初冬にかけて、冬期の食中毒シーズンの前と考えられています。非流行期に発生したノロウイルス集団発生の経過ならびに本流行の実態を明らかにすることを目的に分子疫学的解析を行いました。

 ノロウイルスは遺伝子の型によって31種類に分類されます。2枚貝などによる食中毒では、人間の排泄物によって汚染された海水中のノロウイルスが、プランクトンなどと一緒に貝の消化器官に濃縮されて感染するために、複数の型のノロウイルスが患者の排泄物から検出されます。ところが直接人から人へ感染した場合には、不思議なことに、一つの型のノロウイルスが検出される場合が多いことが知られています。

 2004年5月-6月にかけて感染症として扱った集団発生事例9例、2001-2003年の同時期(4-6月)に感染症として対応した集団発生事例5件、また2003/04年感染症サーベイランスにおいてノロウイルスが原因であった小児散発事例19例から検出されたノロウイルスのPCR産物のDNA塩基配列を調べました。

 2001年から2003/04年冬季までに発生した集団例ではG2/4 、G1、一方、散発例では G2/3、G2/4、G2/6型に分類され、その中でもG2/4が主要な型でしたが、2004年5月-6月の集団発生では全てG2/2型でした。この集団発生は大阪府内において同時多発的に発生し、地理的にも広範なものでした。冬期の流行株と異なるタイプがいつ、どのような形で小児の間に急速に拡まっていったのか、さらに解析をすすめて明らかにしていきたいと考えています。

(ウイルス課 左近)


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