大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第18号− 2005年02月28日発行


室内の空気、食事習慣、ストレスとアレルギー疾患との関連!

 近年、子供たちに急増しているアレルギー疾患の原因を解明するため、大阪市立大学、福岡大学、国立成育医療センター、国立健康・栄養研究所と共同して、生活環境の要因とアレルギー疾患発症との関連を探る長期的な研究を進めています。大阪府内の妊婦約1000人を対象に妊娠中の食生活から、生まれた子供が3歳6ヶ月になるまで追跡する調査で、住居内の空気汚染や母親の食事習慣、ストレスなど総合的に調べています。

 平成13年11月から平成15年3月にかけて、母子手帳を交付する際や病院で実施する両親教室などで参加を呼びかけました。同意した妊婦約1000人の自宅に(1)ホルムアルデヒドと二酸化窒素を24時間測定する捕集チューブ(2)寝具と居間の床のダニ抗原を測定するゴミ取り袋(3)喫煙習慣、ペット、アレルギーの既往など生活習慣と生活環境を知るための質問票(4)食事習慣の質問票(5)ストレス調査票---を郵送し、回答の解析を進めています。

 さらに、子供が生まれた母親には、生後4ヶ月の乳児の追跡調査を実施して、妊娠中の食事制限や出生児の身長・体重、子供の寝室と寝具のダニ抗原などを調べました。乳幼児の追跡調査は、現在、1歳6ヶ月と2歳6ヶ月で実施しており、2歳6ヶ月の調査では、本研究班が開発した世界標準の疫学的な診断基準を活用して乳幼児のアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎について調べています。

 乳幼児のアレルギー疾患は急増していますが、環境要因と発症との関連は十分に解明されていません。とりわけアトピー性皮膚炎は生後まもなく発症することから胎児期の環境要因が重要と考えられるため、今回の調査では、従来検討されなかった母親の妊娠前や妊娠初期の環境要因を重視したのが特徴です。

 現在、母親のアレルギー既往と環境要因との間の関連について解析を進めていて、以下のことが明らかになりました:(1)18歳以降の喘息治療歴と現在の喫煙習慣、そして、過去1年間のアレルギー性鼻炎治療歴と家庭での受動喫煙は、共に正の関連*を示すこと(2)現在の喫煙習慣とこれまでの喫煙習慣のいずれもが、アレルギーのマーカーである血清総IgE値と正の関連を示すことです。

 今後、この調査を継続して、アレルギー疾患発症と環境要因との関連を解析することにより、妊婦の生活習慣を改善することで、子供の疾病発症を予防できる可能性が高まることが期待されます。

(生活衛生課 松永)

正の関連:例えば、家庭での受動喫煙の多いグループほど、アレルギー性鼻炎治療歴のある人の割合が高いことを意味します。


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