大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第22号− 2005年06月30日発行


母乳中の臭素化ダイオキシン類分析法を開発

 「臭素化ダイオキシン類」は、「塩素化ダイオキシン類」の塩素が全て臭素に入れ替わった(置換)化合物です。また、「塩素化ダイオキシン類」の塩素が一つ以上臭素に置換し、臭素と塩素が混在する化合物は「臭素・塩素化ダイオキシン類」と言われています。これら「臭素化ダイオキシン類」と「臭素・塩素化ダイオキシン類」を合わせて「臭素系ダイオキシン類」と呼ばれています。

 臭素系ダイオキシン類は、自然界には存在せず、一部の臭素系難燃剤*あるいはそれらを使用した難燃化製品の加熱や不完全な焼却により、非意図的に生成されます。その毒性は塩素化ダイオキシン類とほぼ同等であると言われています。「ダイオキシン類対策特別措置法」(平成11年7月公布)の附則第2条に、「政府は臭素系ダイオキシン類に関し、人の健康に対する影響や発生過程における調査研究を推進し、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする」との規定が定められています。これを受け、環境省、大学、国や地方自治体等の研究機関により、臭素系ダイオキシン類の排出実態、廃棄物中レベルおよびその処理過程での挙動、一般環境および生体汚染に関する研究が行われてきています。しかし、臭素系ダイオキシン類は、標準品の不足や光や熱に対して不安定であること、また機器の検出感度が悪いなどの分析上の理由で、測定が非常に困難であり、まだ人の健康に対する影響を評価するに足りる十分なデータが揃っているとは言えません。

 当所では、臭素系ダイオキシン類の人体影響評価のために、まず母乳中の臭素化ダイオキシン類に着目し、測定法を検討しました。母乳中の臭素化ダイオキシン類は低濃度であると予測され、高い分析技術が要求されますが、現在得られる知見や技術情報を集め、より高感度および高精度で分析できる方法を開発しました。 

(環境水質課 渡邊)

*:臭素系難燃剤:

 難燃剤は、火災予防のため、燃えやすい物質(プラスチック、ゴム、繊維、塗料、紙や建材など)に添加して燃えにくくする性質を付与する物質で、臭素化合物、塩素化合物、リン化合物や無機化合物などが用いられています。臭素化合物を用いた難燃剤が「臭素系難燃剤」と呼ばれています。



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