大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第27号− 2005年11月29日発行


アイガモから検出された鳥インフルエンザウイルス!

 本年10月31日、大阪府は松原市内のアイガモとアヒルの飼育業者が育てている食用アイガモから、簡易検査でA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表しました。高病原性のウイルスか確認するため、その日のうちに動物衛生研究所に検体が送られました。翌日(11月1日)には病原性の弱いH4であることが判明し、結果を受けて、府はそれまで出していた養鶏農家等の移動自粛を解除しました。

 以上が松原市で起きた鳥インフルエンザ事件の概要で、世界各地で発生しているH5N1による鳥インフルエンザの侵入を危惧したため、マスコミが大きく取り上げ、大阪府も迅速に対応しました。当研究所でも、アイガモと接触した職員から得られた検体を調べましたが、ウイルスは検出されませんでした。

 鳥インフルエンザウイルスは、ウイルス表面にある赤血球凝集素(HA)というタンパク質の抗原性によりH1からH16の16種類に分けられます。鶏やアヒルなどの家禽類にとって致命的なのは高病原性鳥インフルエンザで、H5とH7という型に感染すると起こります。それ以外の型に感染しても家禽類は軽い症状を示すだけなので、低病原性鳥インフルエンザと呼ばれています。今回のH4は低病原性で、家禽類に感染しても被害は小さいということで移動自粛が解除されました。

 インフルエンザウイルスの自然宿主はカモなどの渡り鳥で、彼らは感染しても発症せず、ウイルスの運び屋となっています。今回のアイガモは、H4のインフルエンザウイルスに感染した野鳥とどこかで接触して感染したのでしょう。人はこのようなアイガモと相当濃厚な接触をしないと感染しないでしょうし、感染しても発症することはまずないと考えられます。しかし、アイガモを食べる時にはよく熱を通した方が無難です。

(感染症部 奥野)


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