大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第28号− 2005年12月27日発行


輸入食品から不許可添加物の検出2例

 公衛研食品化学課では食品中の食品添加物について、化学分析により表示が適正になされているか、使用基準が正しく守られているか、指定外添加物(わが国で使用が認められていない添加物)が使用されていないか、収去検査を実施しています。今回、輸入食品から、指定外添加物の使用が確認された2例について報告します。

 1つは乳化剤のポリソルベートで、もう1つは酸化防止剤のTBHQです。

 乳化剤のポリソルベートについてはアメリカ、韓国、EUなどで使用許可されており、油脂含有量の比較的多い水中油(O/W)型乳化に適する乳化剤であり、毒性の評価はA1*リストにランクされ、日本薬局方には収載され、製剤原料、医薬品用添加物として利用されています。今回、不正使用が明らかになったのは、イギリスで製造されたウスターソースで、薄層クロマトグラフィーで陽性を示し、高速液体クロマトグラフィーによる定量で131.7μg/g量が確認されました。イギリスの製造元での調査で、原料として使用している一部の香辛料に使用していたことが判明しました。健康への影響については、体重50Kgの人が毎日このウスターソースを約9.5Kg一生涯食べ続けても健康への影響がない量です。この製品については、輸入者を管轄する中央区(東京都特別区)に東京都を通じて通報、輸入した食品販売会社によって自主回収されました。

 酸化防止剤のTBHQ(t-ブチルヒドロキノン)は1972年、アメリカで使用が許可され、その後中国、台湾などでも認められるようになりました。LD50*はラット経口で700から1,000mg/kgであり、A1*リストにランクされています。今回、不正使用が明らかになったのは、オマーンで製造されたチョコレートクッキーで、高速液体クロマトグラフィーで定量を実施したところ1.6μg/g(GC-MSで確認)が検出されました。健康への影響については、1日あたりの摂取許容量は体重1キログラムあたり 0.7ミリグラムで、過剰に摂取すると体重減少などがありますが、今回の検出量では、体重50Kgの人が毎日このチョコレートクッキーを約 21.8Kgを一生涯食べ続けても健康への影響がない量です。この製品については、輸入者を管轄する千葉県が当該品の回収を命じました。

(食品化学課 吉田 政晴)

*毒性評価A1:

 FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会の安全性評価で、評価できる情報が十分あり、ADI(一日摂取許容量)の設定が毒性学上必要ないと評価されたもの


*LD50:

 急性毒性の指標の1つで、ここでは体重1 kgあたり700から1,000mgをラット(大黒ネズミ)に、口からあたえると50%が約1〜2週間以内に死亡することを意味しています。値が小さいほど急性毒性が強いことを示しています。



▲ページの先頭へ