大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第40号− 2006年12月27日発行


ノロウイルスにご注意ください 現況報告

 全国的にノロウイルスが流行しています。現在の大阪の状況と全国の状況をお伝えします。
 大阪府感染症情報センターによる12月17日までの週別患者報告の感染性胃腸炎を見てみましょう。この報告は大阪府内の小児科を標榜する病院のうち198カ所(定点)からの患者報告数をとりまとめたものです。

 感染性胃腸炎はいろんな病原体(細菌やウイルス)によって引き起こされますが、現在、原因となっているのはノロウイルスです。(http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/monosiri/1/1.html 参照)大阪府内では平成18年47週(11月22日から11月26日)に定点あたりの1週間の患者数が20を超え、警報が出されました。その後48週(11月27日から12月3日)にピークがあり中河内ブロックでは42を記録しました。49週、50週と警報値レベルの状況にはありますが、次第に減少してきていますので、小児科にかかるお子さんの年齢層ではノロウイルスの流行がおさまりつつあるようです。しかし、依然警報値を上回っているブロックもありますので引き続き注意が必要です。では、全国的にはどうでしょうか?全国的にみても同様で47週に警報レベルに達しました。青森(注意報)と沖縄を除く45都道府県で警報が出され全国的に大流行の状態です。

 残念ながら、大人の間でどれくらい流行し、患者さんが発生しているのかはよくわかりませんが、例年に比べ病院を受診される方が多いとのことです。

 さて、ノロウイルス感染症はこの情報で把握できる小児の感染の他に、高齢者施設や医療機関で人から人へ感染がひろまる集団発生や食中毒といった問題も引き起こします。まず、集団発生ですが大阪府では10人以上患者さんが発生した集団胃腸炎事例を毎週情報提供しています。今年の流行状況をまとめますと、平成18年10月から12月17日までにノロウイルスによる集団発生は大阪府全域で290件(12480人)あり、100人以上を超える大規模発生も5事例ありました。昨年の10月から12月の3ヶ月間では61件(1883人)ですから、本シーズンの流行がいかに大きいかわかります。また、11月にはノロウイルスの集団発生中に誤嚥性肺炎などで7名の死亡例が報告されました。発生施設の特徴として、昨シーズンは12月に小学校を中心に流行しました(23件)が、本シーズンは12月に入っても小学校での発生件数は増えず、高齢者と医療機関での顕著な増加が認められました。(http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/monosiri/3/3.html)

 次に、食中毒の状況ですが、飲食店等の従業員の方が感染し、環境や食品を汚染したために発生したケースが多いのが特徴です。原因となる食事を取ってから18から48時間後に胃腸炎症状が出ます。多くの方が利用すること、少量のウイルス汚染によって発症することから、ノロウイルスによる食中毒では1事例あたりの発生規模が大きくなります。こまめな消毒を行うことが大切です(ドアノブ、便座、手洗い場所など)。吐物、汚物などの消毒方法は手袋、マスクを使用し、市販の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)の10倍希釈液で行ってください(http://www.pref.osaka.jp/attach/4340/00019340/noro.pdf)。手洗い方法は、石けん等を用いて行いしっかりと流水ですすぎ、ペーパータオルでふきとります。その後、15秒程度は乾かない量のアルコール系消毒薬を擦り込むように使用するのは手洗いの効果をより高めることになります。感染しても無症状で経過(不顕性感染)し便中にノロウイルスを排泄することがありますので、症状の有無に関わらず手洗いの徹底をお願いします。また、再感染する危険性がありますので、一度かかったからといっても油断できません。

 本シーズンはノロウイルスによる胃腸炎が爆発的に発生しています。小児の間では減少傾向にむかっているようですが、高齢者施設や医療機関では今後も十分な注意が必要です。症状が治まってからもウイルスの排泄はしばらく続きますので、数日間はお見舞いを控える、手洗いの徹底をお願いします。

 大阪府では今後も人-人感染による集団発生をしっかりと調査し、情報提供を行っていきます。 

(ウイルス課 左近)


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