大阪府立公衆衛生研究所メールマガジン かわら版@iph

 −第40号− 2006年12月27日発行


中国産しょうがに対する検査命令が発動されました。

 本年11月29日付けで、「国内における地方自治体の検査及び検疫所におけるモニタリング検査の結果、中国産しょうがから基準値を超えるBHCを検出したため、検査命令を実施すること」と厚生労働省より通達がありました。中国産しょうがを輸入するには検査を行いBHCが残留していないことを確かめる必要があるわけです。国の検疫所は輸入食品の残留農薬の検査をしていますが、当研究所でも、府の食品衛生監視指導計画により、食品衛生監視員が収去(食品衛生法に基づき食品衛生監視員が食品の製造施設や販売施設から検査のため無償で採取すること)した府内に流通している食品について検査をしています。

 中国産しょうがから10月の検査の際に塩素系農薬であるBHCの残留が認められました。BHCは4種類の異性体があり、特にガンマーBHCが、殺虫剤としてはもっとも効果がありリンデンとも呼ばれています。しょうがには暫定基準として0.01ppmが設定されています。今回残留が認められたBHCはアルファーBHCが0.02ppmとデルターBHCが0.04ppm でした。BHCは4種類の異性体の合計値で表すことになっていますので、BHCとしては0.06ppmとなります。BHCとしての残留基準がありませんが、本年5月より施行されたポジティブリスト制度(基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度)が定めた一定量(0.01ppm)を超えていますので、違反となりました。違反報告は府の食の安全推進課を通じて厚生労働省に伝えられ、国の検疫所でも同様の違反が確認され今回の措置となりました。府の食品衛生監視システムの成果と言えます。このように食品化学課では食品衛生監視員と連携をとりながら、食の安全・安心を確保するため行政検査を行っています。

 最後にBHCについてですが、我が国では人に対する急性毒性が弱く、害虫に対する防除効果が非常に高かったため、1949年から普及しました。しかし、農薬による環境汚染が問題になり、見直しが行われ、1971年に生産中止の措置がとられました。環境汚染として問題になっているのは主にベータBHCで生体内の残留量が他の異性体に比べ高くなっています。製造過程ではアルファー型が多くできると言われており、また、ガンマー型がもっとも高い殺虫効果を持っています。今回デルター型が一番多く検出されましたが、中国で現在も殺虫剤として散布しているのか、地中に残留していたためか、今のところ不明です。

(食品化学課 住本)


▲ページの先頭へ