HOMEページ公衛研ニュース > 医薬品の試験について

1.日本薬局方

医薬品の品質を検査することを試験といいます。この試験についてどのような方法で、どんな器具や機器を使うかを決めたものを試験方法といいます。国が定めた医薬品の試験方法は「日本薬局方(にほんやっきょくほう)」という公定書に記載されています。日本薬局方は日局(にっきょく)や局方(きょくほう)と略して呼ばれます。局方は、明治20年に第一版が施行されて以来、改正が重ねられ、近年では5年ごとに改正され、平成23年4月に第16改正日本薬局方が施行されました。

2.医薬品製造販売承認書

医薬品を製造して販売したいと考えたときは、「医薬品製造販売承認申請書」という書類を厚生労働大臣や都道府県知事に提出して、審査され承認をうけると、大臣や知事から「医薬品製造販売承認書」という書類が申請者に交付されます。「医薬品製造販売承認書」には製造販売しようとする医薬品の販売名、剤型(錠剤やカプセル剤などの区別)、有効成分などの名称と分量、製造方法、用法及び用量(1回3錠、1日3回食後など)、効能効果(食べ過ぎ、飲み過ぎなど)、貯蔵方法、有効期間、“規格及び試験方法”などが記載されています。このうち“規格及び試験方法”の中に、その医薬品の品質の規格(試験に合格する基準値)と試験方法が定められています。

3.医薬品の試験

医薬品には町の薬局、薬店あるいはドラッグストア購入できる「一般用医薬品」と医師から処方箋(しょほうせん)をもらって調剤薬局で購入する「医療用医薬品」があり、試験項目が異なります。

表1 医薬品試験の例

表1 医薬品試験の例

例えば、一般用医薬品である、ドラッグストア等で販売されている錠剤のかぜ薬の“規格及び試験方法”には、原則として以下の事項が記載されています。
1)性状はその錠剤の形や色
2) 効成分の規格は、その錠剤にどのような有効成分がどれだけの量で含まれなければならないか
3) 確認試験はその錠剤の中に含まれている有効成分をどのような試験方法で試験をすれば間違いなく有効成分の有無を確認できるか
4) 質量偏差試験は製剤ごとに含まれる有効成分の量のバラツキは基準値以内であるか
5) 崩壊試験は局方で決められた装置を使って試験をしたときに決められた時間内でその錠剤がバラバラに崩れるか
6) 定量法はどのような試験方法で試験したときに錠剤に含まれる有効成分の量を正しく測れるか

一方、医療用医薬品では、崩壊試験が溶出試験(錠剤が崩れて有効成分が溶ける程度を測定する)に変更されています。

これらの試験は、局方で決められた試験方法を用いることが原則となっています。

医薬品製造販売業者は、製造工程を厳しく管理し、上に説明した試験に合格した、品質、有効性、安全性に問題のない良質な製品だけを患者さんに届ける責任があります。

大阪府では、毎年計画的に市中に流通している医薬品を収去し、当研究所の薬事指導課において“規格及び試験方法”に記載されている試験方法と同一の方法で検査を実施しています(行政検査)。私たちは行政検査を通して、医薬品の品質規格が守られているかをチェックし、府の健康医療部薬務課と連携しながら、不良医薬品が患者さんに使われることのないよう、常に監視を続けています。

衛生化学部薬事指導課 沢辺 善之

※ 収去

食品衛生法や薬事法に基づく検査のため、食品衛生監視員や薬事指導員が製造所や販売店等に立ち入り、必要最小限の検体(食品、医薬品等)を無償で採取する行為を「収去」と言います。