HOMEページ公衛研ニュース > 水道水質に関する農薬類の改正について

1.農薬類とは

水道水質でいう“ 農薬類” は次の5つのカテゴリーに分類される農薬になります。
@水質基準農薬類(現在、該当なし)
 従前のリストに掲載されていたもので、浄水において最近3年間継続して目標値の50%を超過した地点が1地点以上存在するか、最近5年間の間で目標値を超過した地点が1地点以上存在するもの。
Aリスト掲載農薬類(120項目)
 目標値の1%を超えて浄水から検出されるおそれのあるものや、検出のおそれが小さくても社会的な要請があるもの。
B要検討農薬類(16項目)
 リストに掲載しない農薬類のうち、積極的に安全性評価と検出状況の収集に努めるもの。
Cその他農薬類(84項目)
 リストに掲載しない農薬類のうち、測定しても浄水から検出されるおそれが小さいもの。
D除外農薬類
 従前のリストに掲載されていたもので、過去の測定結果、出荷状況等から目標値の1%を超えて検出される蓋然性がないものとして、リストから除外したもの。

2.測定農薬類の選定と測定地点・時期

今回の見直しでは、都道府県別の出荷量や水田使用量の推計値をもとに全国を10ブロックに分けた場合、いずれか1つのブロックにおいて検出されるおそれがあるのかどうかを判定し分類がなされました。このため、リストに掲載されていても、地域によっては検出のおそれが小さい農薬類が含まれます。またリストに掲載されていない農薬類であっても、散布直後に降雨があれば、濃度が上昇するおそれがあります。このおそれの程度に応じて、要検討農薬類及びその他農薬類の分類区分が設けられました。

 したがって、測定を行う農薬類は、リストを参考としつつ、水源流域で使用されている農薬類の種類や散布時期等に基づいて、水道事業者等が取捨選択して選定することになります。また、測定は比較的高濃度で検出されるおそれのある地点及び時期に行うものとします。



3.水質評価の方法

農薬類の水質評価の方法は、農薬類ごとに定められた“ 目標値” と比較することで行います。しかし個々の農薬類が目標値を超えるのかどうかで評価するのではなく、「総農薬方式」といって、「検出値/目標値」の総和を検出指標値とし、それが1を超えないことで評価します。この方法では、目標値に満たない農薬類が複数存在しても総和が1を超えれば、農薬類として超過したと判断されます。よって、個々に評価する場合に比べて安全面を重視した方法であると考えられます。

4.今後の対応

大阪府では水道水源の9割以上を淀川に依存しており、その水源の流域は2府3県にまたがっています。そのため、その流域において使用されている農薬類を事前に全て把握することは非常に困難な状況下にあります。当所では、リストに掲載された農薬類のみならず、要検討・その他農薬類も視野に入れ、分析方法の開発及び検査体制の構築に努めてまいります。


1) 毒性評価から算出した飲料水中の許容濃度を評価値とした場合、評価値の1/10に相当する濃度を超えて検出されるか、検出されるおそれの高い項目(50項目)。

2) 評価値が暫定であったり、調査結果の有効な最大値が評価値の数%レベル以上であり、かつ評価値の1%を超えるものの検出率が数%レベル以上である項目(27項目)。

3) 国内出荷量や過去の検出実績などに基づいて作成される。


衛生化学部生活環境課 小泉義彦