平成7年度『勤労者の生活活性度評価事業』報告書概要(その2)




II] 健康診断結果の解析


1. 府下某地域住民(女性)の健康診断および骨密度結果
 府下某地域の女性住民(平均年齢55.7±8.1歳)を対象として、医学的検査に加え超音波法による骨密度測定、日常歩行量測定を実施した。臨床検査データの異常値域者の多い項目は、肥満度、総コレステロール、骨密度、フルクトサミンおよびγ-GTPであった。 血清中の酸性フォスファターゼ、アルカリフォスファターゼと骨密度とは有意な逆相関が認められ、加齢と共に増加していた。骨密度の高い者は、日常歩行量が多く、骨折経験が無く、学生時代にスポーツをしており、蛋白質、脂質、コレステロール、ナイアシンなどの食品摂取が多い傾向が認められた。

2. 自治体職員(女性)の骨密度および健康診断結果
 某市女性職員(平均41±10歳)を対象に、臨床血液検査に加え超音波法による骨密度測定、日常歩行量測定を実施した。臨床検査データの異常値域者の多い項目は、肥満度、総コレステロール、クレアチニン、中性脂肪であった。 骨密度は加齢とともに低下し、閉経後10年間は低下する傾向が認められた。骨密度代謝に関連する血清中のアルカリフォスファターゼ、酸性フォスファターゼ、酒石酸抵抗性フォスファターゼは共に骨密度と逆相関が認められた。 また、日常生活の面からみると、定期的に15分以上の運動をしている者、乳児期に混合乳で育てられた者、子供のころ乳製品を多く取った者、現在肉類、色の濃い野菜を多く摂取している者は骨密度が高い傾向が見られた。また、妊娠回数が3回以上の者はそれ以下の者に比べ低い傾向が見られた。

3. 放送局、自治体職員における女性労働者の骨密度および健康診断結果の比較
 昨年度に報告した放送局女性職員(平均33.0±11.2歳)と前述の女性市職員との臨床検査データと骨密度とを比較検討した。20〜30歳台のBMI、中性脂肪、クレアチニンでは市職員は放送局員に比べ高値を示したが、骨密度では差は認められなかった。現在の運動している者の骨密度は市職員では有意に高いが、放送局員ではその差が認められなかった。この事は、両群でなされている運動の種類に違いがあり、運動の種類により骨密度への反映のされ方が違うものと考えられた。

4. 女性における血液臨床検査値の生理値について
 これまで調査した放送局職員、地域住民、市職員のうち女性587名について、臨床検査を中心に度数分布、平均値、異常率や項目相互間の関連性を解析した。異常値率が10%を越える項目はA/Gと中性脂肪であり、その外の異常値率は、血色素以外ではおしなべて男性より低率であった。 年齢と相関する項目は身長、肥満度、BMI、総蛋白、総コレステロール、中性脂肪、GOT、尿酸、尿素窒素およびカリウムであり、肥満度あるいはBMIと相関する項目は、総蛋白、A/G、総コレステロール、中性脂肪、GPT、γ-GTP、尿酸、赤血球数および血色素量であった。