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平成17年度 調査研究概要 感染症部 細菌課

細菌課の「平成17年度に実施する調査研究」を簡潔・平易にまとめてあります。

腸管感染症および類似疾患における細菌学的研究

(細菌課 勢戸和子 他2名)

腸管感染症による健康被害を減少させるため、分離された病原菌(赤痢菌、チフス・パラチフス菌、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなど)について、特徴を多角的に検討し、事例間の関連性や流行菌型を調査する。あわせて、薬剤耐性菌の動向を監視する。また、病原機序の解明や簡便で正確な検査法の開発にも取り組んでいる。

細菌性呼吸器感染症に関する調査研究

(細菌課 勝川千尋 他2名)

感染症法に規定される細菌性呼吸器感染症にはジフテリア、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、髄膜炎菌性髄膜炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、百日咳、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、マイコプラズマ肺炎がある。これらの感染症の流行状況調査、患者および保菌者からの菌検索、分離された病原菌を用いた疫学解析等の調査研究を実施する。

結核菌および非結核性抗酸菌に関する研究

(細菌課 田丸亜貴 他2名)

大阪府は本邦最悪の結核蔓延地域である。当所ではこの状況を改善するため、IS6110-RFLP分析による結核菌分子疫学調査、PCR法に基づく迅速遺伝子型別法開発など結核感染経路解明・感染拡大防止に有用な研究を実施している。また、結核患者の早期発見・適切な治療のため抗酸菌検出同定技術開発、薬剤感受性に関する調査研究も実施している。

細菌性食中毒に関する研究

(細菌課 川津健太郎 他2名)

腸炎ビブリオ食中毒の簡便、迅速な診断法を新たに開発した。具体的には、イムノクロマト法の原理を応用して、腸炎ビブリオの病原因子である耐熱性溶血毒(TDH)を患者便の増菌培養液から数分で検出できる方法を開発し、それを用いて本食中毒を簡便、迅速に診断することに成功した。

食品内で産生される細菌毒素に関する研究

(細菌課 浅尾 努 他2名)

食品内で産生される毒素にはボツリヌス毒素、ブドウ球菌エンテロトキシン、セレウス菌嘔吐毒(セレウリド)がある。本研究では、細菌毒素の検出法の信頼性、迅速性、検出感度の改善のために、生物学的診断法、免疫学的診断法や遺伝子診断法を総合的に融合させて研究を推進するのが目的である。

食品由来真菌に関する研究

(細菌課 久米田裕子 他1名)

真菌は食品の変質変敗を引き起こし経済的損害を与えるだけでなく、その生産する種々の有毒代謝産物すなわちマイコトキシンが消費者の発癌リスクを高める危険性がある。苦情処理を含めた「食の安全」に対する府民の関心と期待に応えるため、食品汚染真菌の迅速正確な同定法とマイコトキシンの高感度で簡便な検出法の開発を目指す。

魚介毒に関する研究

(細菌課 濱野米一 他1名)

日本では麻痺性貝毒による二枚貝の毒化が恒常化しており、検査手法の簡便・迅速化が望まれている。簡易測定キットを試作し全国の各種貝類の検査に使用し有用性を実証する。本キットが普及すれば、毒化の早期把握と迅速な行政対応が可能になる。また、府内に流通するフグ等の水産食品の安全確認のための毒性調査と必要な研究を実施する。

食中毒原因物質としてのノロウイルスに関する研究

(細菌課 依田知子 他1名、ウイルス課2名)

大規模食中毒の原因となり得るノロウイルスの検出には、現在のところ、RT-PCR法が一般的に使われているが、その方法は、迅速簡便ではない。そこで、検出法をできるだけ、簡便で迅速なものとするため、検出法の改良を目指す。

ノロウイルス検出用の簡易迅速診断キットの開発*1

(細菌課 依田知子 他1名、ウイルス課2名)

食中毒の原因物質としてだけでなくヒトからヒトへと感染する感染症の原因にもなる公衆衛生上、重要なノロウイルスの検出法のひとつとして、迅速簡便なイムノクロマトグラフィーの系の確立を目指す。

編集:企画総務部 企画調整課