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平成18年度 調査研究概要 感染症部 細菌課

ウイルス課の「平成18年度に実施する調査研究」を簡潔・平易にまとめてあります。

ウイルス性呼吸器感染症の研究

(ウイルス課 加瀬哲男 他8名)

ウイルス性呼吸器感染症(感染症法に則り、第1類:SARS 第4類:高病原性トリインフルエ ンザ 第5類:RSウイルス感染症 咽頭結膜熱 インフルエンザ 麻疹 流行性角結膜炎および感染症法に規定されない疾患も含める)の感染拡大防止を目的とする。そのため、ウイルス分 離、抗原検出、核酸検出、抗体価測定などの宿主側要因を含めた感染症サーベイランスを行っている。

腸管感染性ウイルスに関する研究

( ウイルス課 山崎謙治 他1名)

エンテロウイルス、ノロウイルス、肝炎ウイルスなどの検出および遺伝子診断を行うことに より、流行ウイルスの疫学情報の還元、ウイルス流行予測をすることを目的とし、またウイル ス検査法の開発を行うことにより、原因不明疾患の病因の解明をすることを目的とした研究を行っている。

衛生動物を介する感染症に関する研究

( ウイルス課 弓指孝博 他3名)

衛生動物を介する感染症には、新興感染症(ウエストナイル熱、日本紅斑熱)、輸入感染症 (デング熱)、人獣共通感染症(Q熱)などが含まれ、人が感染すると重篤になるものも多い。
この研究では、これらの感染症の実験室診断法の確立や衛生動物の感染を監視する調査を行い、 治療や防疫対策に役立てる。

HIV感染症に関する研究

( ウイルス課 大竹 徹 他3名)

HIVの拡大を防ぐため、以下の研究を実施している。
1)迅速で正確なHIV感染の診断のための検査法と的確な治療を可能にするための検査法の確立
2)HIV感染者の広がりの実態を明らかにするために、診療所を訪れるHIV感染のリスクの高い 人々を対象にした疫学調査
3)新たな作用メカニズムを持つ抗エイズ薬の候補物質の検索

トリインフルエンザウイルスに対する迅速診断法の開発

(ウイルス課 高橋和郎 他6名)

勃発が懸念される新型トリインフルエンザウイルス(AI)を10分で診断可能なイミュノクロマト法を開発した。この方法では、現在タイやインドネシアで発生しているAIを検出するが、 他のヒト呼吸器ウイルスには反応しない。検出感度は、現行の市販キットとほぼ同等な感度を有する。従って、新型インフルエンザの勃発に際しても十分に有効な診断方法となることが期 待される迅速診断法である。

腸管寄生性原虫に関する研究

(ウイルス課 木村明生、環境水質課1名)

ヒトの下痢症の原因となる腸管寄生虫の疫学的調査研究および検査法の開発に関する研究を実施している。本年度は大阪府近郊に棲息するドブネズミ便からのクリプトスポリジウムオーシストとその遺伝子の検出とその解析を行った。その結果、ドブネズミに特有の Cryptosporidium遺伝子型の存在が示唆された。今後はこの遺伝子型の本原虫のヒトへの感染性について検討する。

ヒトヘルペスウイルスに関する研究

(感染症部 ウイルス課 宮川広美 他1名)

臨床症状からヘルペスウイルス感染症が疑われる患者の検体からウイルス遺伝子の検出を nested PCRを用いて行った。初感染時のみならず、体内に潜伏感染し再活性化時にも重篤な症 状をひきおこすヒトヘルペスウイルスの動態を明らかにすることを目的としている。

先天性サイトメガロウイルス感染症のマススクリーニング法の開発

(感染症部 ウイルス課 宮川広美 他1名、食品化学課1名)

大阪府内の先天性CMV感染症の発症頻度について調査を行った結果約0.2%で、新たにマスス クリーニングの項目に加える必要性が示唆された。マススクリーニングに利用可能な信頼性の 高いCMV迅速診断法として、ELISA法、LAMP法の開発を試みた。

ウイルスと環境化学物質の突然変異誘導に関する研究

(感染症部 ウイルス課 小田美光)

がんウイルスおよび環境化学物質とその変異原性との関連性を明らかにすることは、発がんのリスク評価および予防をする上で非常に重要である。大腸菌株にB型肝炎ウイルスのX蛋白質 を発現する菌株を作成し、そのX蛋白質によるDNA損傷の種類の解明を分子レベルで解析する。 また、環境化学物質についてもumu''lacZ融合遺伝子を導入した試験菌株を用いてumuC遺伝子 の誘導および突然変異誘導を指標として検討する。

花粉症対策のための基礎的研究

(感染症部 ウイルス課 西村公志)

スギ・ヒノキ花粉症が非常に問題となっているが、空中には真冬を除いて多くの種類の花粉 が飛んでおり、それぞれの花粉に対して花粉症がある。そこで、公衆衛生研究所において空中 飛散花粉を一年を通して観測し、その種類や増減などといった花粉に関する基礎的なデータを 集積解析し、花粉症対策のための基礎的研究をすることを目的としている。そのデータの一部 は、公衆衛生研究所のホームページに公開している。

編集:企画総務部 企画調整課