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平成19年度 調査研究概要  感染症部 細菌課

細菌課の「平成19年度に実施する調査研究」を簡潔・平易にまとめてあります。

食品由来真菌に関する研究

(企画調整課 久米田裕子 細菌課、2大学、1研究所)

発癌性アフラトキシン汚染食品の迅速診断法の開発:アフラトキシンGの合成に必要な遺伝子cypAとアフラトキシンBとGの合成に必要な遺伝子ordAをターゲットにマルチプレックスPCR法を考案した。アフラトキシンの自然汚染に関与すると考えられる菌については本法でB産生菌とBG産生菌を区別しながら検出できることが確認できた。

腸管感染症および類似疾患における細菌学的研究

(細菌課 勢戸和子 他2名)

大阪府内で分離された腸管感染症原因菌(赤痢菌、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター等)について、生化学的、遺伝学的特徴を精査して事例間の関連性や流行菌型を調べ、感染源調査ならびに予防対策に還元する。また、薬剤耐性菌の分布を調査して耐性獲得機序を解明するとともに、簡便で正確な検査法の開発にも取り組んでいる。

細菌性呼吸器感染症に関する調査研究

(細菌課 勝川千尋 他2名)

感染症法に規定される細菌性感染症のうち、2類のジフテリア、4類のレジオネラ症、5類の劇症型溶血性レンサ球菌感染症、髄膜炎菌性髄膜炎、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症(以上全数把握)、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、百日咳、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿菌感染症、細菌性髄膜炎、マイコプラズマ肺炎(以上定点把握)について、検査技術の向上に努め、検査の精度管理を徹底し、新しい解析技術を導入するとともに研究へと発展させていく。

結核菌および非結核性抗酸菌に関する研究

(細菌課 田丸亜貴 他2名)

大阪府は本邦最悪の結核蔓延地域である。  当所ではこの状況を改善するため、結核菌遺伝子型別法を用いた感染経路解明により感染拡大防止に有用な調査研究を実施している。また結核患者および感染者の早期発見・適切な治療のための抗酸菌検出同定技術開発・薬剤感受性に関する研究も実施している。

大阪府における超多剤耐性結核菌の疫学調査

(細菌課 田丸亜貴)

XDR-TBの存在は日本を含む28カ国で確認されているが、大阪府内での発生状況や感染経路について詳しくはわかっていない。そこで本研究では、これまで公衛研に搬入されたMDR-TBについてXDR-TBか否かの薬剤感受性試験、遺伝子型別による感染経路調査を実施し、さらに大阪府内のMDR-TB, XDR-TBの遺伝学的特徴について調査する。

大阪市域を含む結核分子疫学調査

(細菌課 田丸亜貴 他1名、1研究所)

大阪府の結核罹患率は突出して高く、その中心は大阪市である。大阪府の結核蔓延の原因解明には府市連携が必須である。本研究では、府市が連携して大阪府・市内の地域分子疫学を実施することにより、大阪府内の結核蔓延構造の解明を目指し、府市双方の結核対策に有用な情報を提供することを目的とする。

細菌性食中毒に関する研究

(細菌課 神吉政史 他2名)

本研究はヒスタミン生成菌のヒスチジン脱炭酸酵素の組換え体を作製し、その赤身魚中でのヒスタミン生成能を検討した。本研究によりヒスチジン脱炭酸酵素単独での魚肉中でのヒスタミン蓄積の可能性が確認された。

食品内で産生される細菌毒素に関する研究

(細菌課 浅尾 努 他2名)

嘔吐毒(セレウリド)を産生するセレウス菌を特異的に検出するため、従来のPCR法を改良して本菌による食中毒の診断に応用できることを確認した。ウェルシュ菌食中毒の原因食品からウェルシュ菌を検出するための増菌法を検討し、食中毒診断に活用した。

食中毒原因物質としてのノロウイルスに関する研究

(細菌課 依田知子 他1名、ウイルス課)

1.培養系がないノロウイルスに対する抗体作製のためのリコンビナント粒子の作製
 2.ノロウイルス感染に関与するかもしれない宿主側の因子の調査

魚介毒に関する研究

大阪湾でもアサリの潮干狩りの自粛がなされたが、麻痺性貝毒による二枚貝の毒化が全国各地で恒常化しており、簡便・迅速な貝毒モニタリング手法の開発が望まれている。
 当所で開発した貝毒簡易測定キットを試験的に関係機関に配布し、その有用性を実証する。本キットが普及すれば毒化の早期把握と迅速な行政対応が可能となり、食の安全安心も飛躍的に向上する。

編集:企画総務部 企画調整課