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平成21年度 調査研究概要 感染症部 細菌課

細菌課の「平成21年度に実施する調査研究」を簡潔・平易にまとめてあります

腸管感染症および類似疾患における細菌学的研究

(細菌課 勢戸和子 他3名)

赤痢菌、コレラ菌、腸管出血性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター等の腸管感染症原因菌の特徴を精査して疫学解析を実施し、非典型的性状や薬剤耐性、事例間の関連性を行政や医療機関に情報提供している。特に今年度は、腸管出血性大腸菌O157の簡便な遺伝子型別法について検討し、スクリーニングに有用であることを明らかにした。

細菌性呼吸器感染症に関する調査研究

(細菌課 勝川千尋 他2名)

ジフテリア、レジオネラ症、劇症型溶血性レンサ球菌感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、百日咳、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、細菌性髄膜炎等の感染症法で規定される細菌性感染症を中心に、起因菌の検出、分離菌の性状や薬剤耐性等の解析を行い、発生状況やその分布等についての情報として活用する。また、検査の困難な稀少感染症について新しい解析技術を開発・導入し、検査体制の拡充をはかる。

結核菌および非結核性抗酸菌に関する研究

(細菌課 田丸亜貴 他2名)

大阪府は本邦最悪の結核蔓延地域である。本研究ではこの状況を改善するため、結核菌遺伝子型別法を用いた感染経路解明により感染拡大防止に有用な調査研究を実施している。また結核患者および感染者の早期発見・適切な治療のための抗酸菌検出同定技術開発・薬剤感受性に関する研究も実施している。

細菌性食中毒に関する研究

(細菌課 川津健太郎 他2名)

食中毒原因菌の迅速検査法の開発:食中毒の原因究明および食品検査の簡易迅速化に役立てる目的で免疫学的な手法を用いて新しい検査法を開発する。そして、従来法の結果と比較し、その有用性を検討する。

食品内で産生される細菌毒素に関する研究

(細菌課 河合高生 他1名)

ボツリヌス毒素、ブドウ球菌エンテロトキシン、セレウス菌嘔吐毒(セレウリド)は食品内で産生される細菌毒素で、食中毒起因物質として重要である。本研究では、細菌毒素の検出法の信頼性、迅速性、検出感度の改善のために、生物学的診断法、免疫学的診断法、遺伝子診断法および化学的分析法を総合的に融合させて研究を推進するのが目的である。

食中毒原因物質としてのノロウイルスに関する研究

(細菌課 依田知子 他2名)

ノロウイルス感染のしやすさに関連しているといわれているヒトの遺伝子型(分泌型、非分泌型)を決定しているFUT2遺伝子についての疫学調査を行なっている。ノロウイルスについてはウイルスを増やせる培養細胞も実験動物もないため、患者と一般のヒトの遺伝子型を調べるこの調査は、ノロウイルスの感染機構を解明する端緒となると考えられる。また、変異の多いノロウイルスの検出を迅速に診断できるRT-LAMP法の有用性についても引き続き検討していく。

Universal Preenrichment Broth を用いた食品中のnon-O157志賀毒素産生性大腸菌の増菌法に関する研究

(細菌課 神吉政史 他1名)

代表的な志賀毒素産生性大腸菌であるO157およびO26については増菌方法がすでに確立されているが、その他の志賀毒素産生性大腸菌については最適な増菌培地がまだ確立されていない。本研究では損傷菌のために開発された増菌培地Universal Preenrichment Brothを用いてその増菌方法を確立する。

魚介毒に関する研究

(細菌課 川津健太郎 他1名)

麻痺性貝毒による二枚貝の毒化が全国各地で恒常化しており、簡便・高感度な貝毒モニタリング手法の開発が望まれている。当所開発の貝毒簡易測定キットを消費安全局を通じて希望した自治体に提供し、その有用性を実証する。本キットが普及すれば毒化の早期予知と迅速な行政対応が可能となり、食の安全安心も飛躍的に向上する。

編集:企画総務部 企画調整課