警報・注意報レベル・流行期入りの目安
5類定点把握感染症のうち、流行状況を早期に把握することが必要な疾患について、地域における流行拡大を抑制するため、迅速に注意喚起することを目的とします。
ほとんどの感染症では、時間の経過とともに流行が地域的に拡大あるいは移動していくことから、流行拡大を早期に探知するためには、小区域での流行状況を広域的に監視することが重要と考えられます。
- 「警報レベル」は、大きな流行が発生または継続しつつあると疑われることを示します。
警報は、1週間の定点医療機関あたり報告数が、開始基準値に達した時点で発報し、終息基準値未満になった時点で終息します。 - 「注意報レベル」は、流行の発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高いこと、流行の発生後であれば流行が継続していると疑われることを示します。
- インフルエンザには「流行期入りの目安」として「1」があります。
1週間の定点医療機関あたり報告数が1を上回ると、インフルエンザが流行期に入ったと考えられます。ただし、あくまでも目安であり、1週のデータのみで判断するのではなく継続的に推移を確認して判断することが重要です。
「ブロック別感染症マップ」の色見本は「警報レベル開始基準値」を10分割し、定点あたり報告数が「警報レベル開始基準値」を超えると紫色になるように設定しています。
疾病 | 警報レベル | 注意報レベル | 流行期入り | |
開始基準値 | 終息基準値 | 基準値 | 目安 | |
インフルエンザ | 30 | 10 | 10 | 1.00 |
咽頭結膜熱 | 3 | 1 | - | - |
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 | 8 | 4 | - | - |
感染性胃腸炎 | 20 | 12 | - | - |
水痘 | 2 | 1 | 1 | - |
手足口病 | 5 | 2 | - | - |
伝染性紅斑 | 2 | 1 | - | - |
ヘルパンギーナ | 6 | 2 | - | - |
流行性耳下腺炎 | 6 | 2 | 3 | - |
急性出血性結膜炎 | 1 | 0.1 | - | - |
流行角結膜炎 | 8 | 4 | - | - |
警報・注意報の基準値は、平成28年度厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)による「新興・再興感染症の発生に備えた感染症サーベイランスの強化とリスクアセスメント」における「疫学的・統計学的なサーベイランスの評価と改善」の基準値を適用しています。
RSウイルス感染症に関する警報・注意報レベル基準値について、大阪府感染症情報センターでは過去の流行状況を検討し、「流行期入りの目安」として「0.4」(注)を独自採用して試行的に運用することにしました。
注:流行期入りの基準値について算出の方法についての詳細はこちらをご覧ください。