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大阪府感染症情報センター

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RSウイルス感染症

更新日:2024年6月11日

 

大阪府内の状況

大阪府感染症発生動向調査週報 (速報)

〇大阪府内の最新の状況はこちら。
(大阪府感染症情報センター|週報|定点把握疾患:RSウイルス感染症)

※大阪府感染症情報センターでは過去の流行状況を検討し、RSウイルス感染症の「流行期入りの目安」として「0.4」を独自採用して試験的に運用しています。

 


RSウイルス感染症の大阪府内発生動向・特徴と予防

コロナ禍前は例年、RSウイルス感染症は9月頃に増えることが多かったですが、2020年は年間を通じて報告数が非常に少ない状況でした。2021年は4月19日~4月25日(第16週)に定点当たりの報告数が3.86、5月24日~5月30日(第21週)に年間最大の5.05、7月12日~7月18日(第28週)に3.96となる3峰性の経過をたどるなど流行時期が不規則で、年間報告数は過去最多となりました。2022年は7月18日~7月24日(第29週)に最高値7.30、2023年は5月22日~5月28日(第21週)最高値3.86を記録するなど、2020年以降は流行時期が不規則となっています。また、RSウイルス感染症は2歳までにほとんどの子どもが感染するといわれています。2021、2022年は共に2020年以前と比較して報告に占める2歳以上の割合が高い傾向がありましたが、2023年は2020年以前に近づきました。

RSウイルス感染症の原因は、RSウイルスです。発熱、鼻水、咳などの風邪に似た症状が数日続きます。重くなると肺炎や細気管支炎といった病気を引き起こす場合があります。生涯にわたり何度も感染を繰り返します。低出生体重児、免疫不全を伴う乳幼児、心臓や肺に基礎疾患がある場合やダウン症候群の子どもでは、重症化のリスクが高まります。また、心臓や肺に基礎疾患を有する高齢者も重症化する恐れがあります。

RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした時に飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込んだり、ウイルスが付着した手指や日常的に触れる物(おもちゃ、ドアノブ、手すり等)を触ったりなめたりすることにより感染します。

早産児や基礎疾患がある小児に対しては、重篤な下気道疾患の発症予防にパリビズマブ(商品名シナジス)、ニルセビマブ(商品名ベイフォータス、2024年3月承認)があります。
また、20239月に60歳以上が対象の組換えRSウイルスワクチン(アレックスビー筋注用)が承認されました。
そして20241月に妊婦への能動免疫による新生児及び乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防に対して組換えRSウイルスワクチン(アブリスボ筋注用)が承認されました[ RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY (jpeds.or.jp) ]。アブリスボ筋注用は妊娠2836週の間に接種することが望ましいとされています。アブリスボは2024年3月に60歳以上に適応が拡大されています。

感染予防のために、手洗い、マスクの着用など咳エチケットが重要です。

 


RSウイルス感染症について詳しくお知りになりたい方は、下記ホームページをご参照ください。

大阪健康安全基盤研究所「RSウイルス感染症について」

大阪健康安全基盤研究所「大阪市内で検出されたRSウイルスの疫学」

国立感染症研究所「2021年春のRSウイルス感染症流行―大阪市(IASR(病原微生物検出情報・月報)2021年 42号 p195-197)」

大阪府「RSウイルス感染症について」

大阪市「RSウイルス感染症について」

国立感染症研究所「RSウイルス感染症とは」

厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)」

 国立感染症研究所「<注目すべき感染症>ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症(IDWR 2023年第28号)」



成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性については以下をご覧ください。

国立感染症研究所「成人・高齢者におけるRSウイルス感染症の重要性(IASR(病原微生物検出情報・月報)2014年 35号 p147-148)」