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2008/2009シーズンのインフルエンザウイルス分離状況(3月2日現在)

大阪市立環境科学研究所
    堺市衛生研究所
大阪府立公衆衛生研究所

 今シーズンのインフルエンザは平成21年第5週(1/26-2/1)に定点あたり31.3となり警戒レベルを超え、地区別にみてもほぼ全域で20を超え、流行のピークを示したと思われます。

 今シーズンに現在まで大阪府内3地方衛生研究所で分離されたインフルエンザウイルス亜型の分離株数と抗原性変異を下表に示します。全体的には12月まではAH3亜型(香港型)がより流行していましたが、1月からはAH1N1亜型(ソ連型)が主流となっています。各亜型の流行割合は、おおよそH3:H1:B=5:3:2です。

 AH3亜型(香港型)分離株は、ごく少数の株を除いて、ワクチン株であるA/Uruguay/716/2007(H3N2)と抗原性は一致あるいは類似していると考えられます。(抗原性変異については、x1は抗原性が一致、x2,x4は抗原性類似(H3亜型についてはx4倍でも抗原変異と認める場合有り)、>x4は抗原性変異であると基本的には解釈します)

 AH1N1亜型(ソ連型)分離株の大部分はタミフル耐性遺伝子マーカー(H275Y)を有していますが、抗原性に関しては今年度のワクチン株A/Brisbane/59/2007(H1N1)とほぼ類似しています。しかし、大阪市での分離株32株はすべてx8以上で抗原性は変異していると考えられます。

 B型に関しては今シーズンの分離株は全てVictoria系統に属するウイルスで、今年度のワクチン株B/Brisbane/3/2007(山形系統)とは異なる抗原性を示しています。

 大阪府南部においても、疫学情報からインフルエンザの流行が見られていますが、検査定点医療機関からの検体搬入が少なく、B型1株のみの分離でした。

 なお、全国的には平成21年第4週(1/19-1/25)に、定点当たり報告数37.45をピークとして以後減少してきています。現在のインフルエンザウイルスの検出状況はAH1(Aソ連)型1183件、AH3(A香港)型753件、B型270件が報告され、AH1(Aソ連)型が優位となっています。

◆大阪府での2008-2009シーズンにおけるインフルエンザウイルスの亜型分離状況
亜型 大阪府 大阪市 堺市 総数
北部 中部 南部
12月まで 1月以降 12月まで 1月以降 12月まで 1月以降 12月まで 1月以降 12月まで 1月以降
AH3 分離事例総数 1 10 13 36 0 0 14 3 29 6 112
散発事例数 1 10 13 36 0 0 6 1 29 6 102
集団事例数 0 0 0 0 0 0 8 2 0 0 10
総分離数 1 10 13 36 0 0 22 5 29 6 122
AH1 分離事例総数 1 5 0 18 0 0 3(5) 15 8 13 63(65)
散発事例数 1 5 0 18 0 0 0(2) 7 8 13 52(54)
集団事例数 0 0 0 0 0 0 3 8 0 0 11
総分離数 1 5 0 18 0 0 5(7) 26 8 13 76(78)
B 分離事例総数 5 5 0 18 0 1 1 7 10 1 48
散発事例数 4 5 0 18 0 1 1 2 9 1 41
集団事例数 1 0 0 0 0 0 0 5 1(6株分離) 0 7
総分離数 5 5 0 18 0 1 1 10 15 1 56
* 分離事例数は、一つの集団発生を1とカウントした場合の事例の数、総分離数は、散発、集団全ての事例からの分離された株数です。
* ( )内は、中国及びインドネシアからのAH1亜型の感染帰国事例各1株を加えた数です。
* A/H1のタミフル耐性遺伝子について
   堺市の分離株21株中19株はタミフル耐性遺伝子を保持していました
   大阪市の分離した33株中31株はタミフル耐性遺伝子を保持していました
   大阪府の分離株24株はすべてタミフル耐性遺伝子を保持していました
* B分離株は全てVictoria 系統株でした
◆分離ウイルス株の抗原性変異
亜型 総検査株数 抗原性変異(検査株数)
×1 ×2 ×4 >×4
大阪市 AH3 4 4 0 0 0
AH1 33 0 0 1 32
B 11 0 0 0 11
堺市 AH3 35 16 16 3 0
AH1 21 2 12 6 1
B 16 0 0 0 16
大阪府 AH3 60 9 31 19 1
AH1 24 3 16 4 1
B 29 0 0 0 29
* 抗原性変異はフェレット血清によるHI価の差異で示しています
◆国内事例亜型別の分離事例数割合
全期間 12月まで 1月以降
AH3 48.3% 76.5% 8.3%
AH1 37.9% 17.6% 66.7%
B 13.8% 5.9% 25.0%


前回の記事【 インフルエンザウイルス発生状況(2008/12/2) 】


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