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大阪府感染症情報センター

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梅毒

2022年における全国の年間梅毒患者報告数は2023年3月18日時点で13,226人と、感染症発生動向調査の全数把握感染症に定められた1999年以降、年間報告数として最多であった2021年を上回り、2017年以降6年連続して5,000人を超えている(2021年は7,978人、2020年は5,871人)
大阪府では2023年の年間梅毒累計報告数は2,013人(2024年1月23日時点)で、年間報告数としてそれまで最多であった2022年の年間報告数1,825人を超えた。
梅毒は、性行為・オーラルセックスにより、生殖器、口、肛門の皮膚や粘膜の微細な傷口から菌が体内に侵入し感染する。また、妊娠時に胎児が胎盤を介して感染し、「先天梅毒」になることがある。梅毒は、適切な抗菌薬の投与で治癒が期待できる。


大阪府内で感染症発生動向調査によって届出られた梅毒の概要    

大阪府感染症情報センターでは国立感染症研究所が配信している梅毒の国内発生状況分析情報
https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrs/7816-syphilis-data.html)を参考に、
大阪府内における梅毒症例の動向について四半期毎の推移をまとめたものを2022年第1四半期より四半期毎に配信させていただいております

<2024年1月23日時点のデータに基づく>
2022年第1四半期から2023年第4四半期は、以下の週に該当

  • 2022年第1四半期:第1週~13週(2022年1月3日~2022年4月3日)
  • 2022年第2四半期:第14週~26週(2022年4月4日~2022年7月3日)
  • 2022年第3四半期:第27週~39週(2022年7月4日~2022年10月2日)
  • 2022年第4四半期:第40~52週(2022103~20231月1日)
  • 2023年第1四半期:第1週~13週(2023年1月2日~2023年4月2日)
  • 2023年第2四半期:第14週~26週(2023年4月3日~2023年7月2日)
  • 2023年第3四半期:第27週~39週(2023年7月3日~2023年10月1日)
  • 2023年第4四半期:第40週~52週(2023年10月2日~2023年12月31日)

  注)2023年第52週(2023年12月31日)までに診断されていても2024年1月23日以降に届け出のあった報告は含まない。


図1  大阪府内における梅毒報告数
大阪府内梅毒報告数
  • 2023年第4四半期は、2023年第3四半期に引き続き減少した。2023年第4四半期は2023年第3四半期に比較し報告数が15%減少し、500例を下回っている。遅れ報告があることから、特に直近の報告数は今後変動する可能性がある。


図2  ブロック別報告数
ブロック別報告数
  • 四半期毎の報告数は全ての期間において大阪市医療圏で最も多い。2023年第4四半期は6ブロックで、2023年第3四半期と比較し報告数が減少した。
【参考】感染症発生動向調査ブロック分け(http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/block1.html
ブロック地図

図3  性別年齢分布
性別年齢分布.png
  • 2023年第4四半期は、男性では最も報告数が多い年齢区分は25~29歳および30~34歳で、次いで40~44歳で多かった。20歳代~40歳代で、男性全体の70%を占めた。
  • 男性では、最も報告数の多い年齢区分が20代前半~40代前半の年齢区分の間で、四半期毎に入れ替わっている状況である。
  • 2023年第4四半期は、女性では引き続き20~24歳で最も多く、次いで25~29歳で多かった。20歳代の割合は女性全体の59%を占めた。また10歳代後半の割合は女性全体の12%を占めている。
  • 全期間を通じ20~40歳代の男性および20歳代の女性で特に報告数が多いことから、妊娠の可能性のある者のうち感染リスクがある者や、妊娠中、または、妊娠の可能性のある者のパートナーに対する、必要に応じた積極的な検査実施と啓発が重要であると考えられた。
  • 男女ともに20歳代の報告数が多いことから、10歳代の若者が性感染症に関する知識を得る予防啓発の機会を増やすことが重要な対策の一つになると考えられた。


図4  性的接触歴別、病型の分布
性的接触歴別病型分布
  • 2023年第4四半期は無症候での届出の占める割合が女性異性間で53%(97例)、男性異性間で15%(17例)、男性同性間で23%(7例)と、2023年第3四半期と比較しそれぞれ7%増加、8%増加、37%減少した。
  • 早期顕症(2期)の届出の占める割合が女性異性間で28%(51例)、男性異性間で25%(29例)、男性同性間で43%(13例)と、2023年第3四半期と比較しそれぞれ11%減少、4%減少、31%増加した。
  • 全期間を通じて女性異性間は無症候での届出の割合が高く、一方で男性異性間は無症候での届出の割合が低い。女性は自発的検査あるいは医師の検査勧奨や妊婦健診など、検診目的の検査で感染が判明している可能性が考えられ、男性は、梅毒の症状を自認した患者の受診によっての診断が大部分を占め、自発的な検診による無症候性梅毒の検出・診断が少なくなっているものと考えられた。
  • 男性同性間は男性異性間と比較し無症候で届出される割合が高いことから、受検意識の高さや検診目的の検査による判明が多い可能性がある。しかし、2023年第4四半期は2023年第2四半期同様、男性同性間の無症候での届出の占める割合が減少していることから、男性で同性間性的接触歴のある者の受検意識や、検査機会が十分でなく、その結果見かけ上男性同性間の報告数が減少している可能性も考えられため今後の動向を注視する必要がある。ただし、例数が少ないことにより病型の割合の変動が大きいことも考慮する必要がある。
  • 梅毒の流行を抑えるには、予防啓発はもちろんのことだが、それに加えて自発的な梅毒検査受検率のさらなる向上が必要である。特に感染の可能性の高い、異性間性的接触機会が多い者に対し、働きながらでも受検しやすい梅毒検査環境を提供するなど、積極的な受検を促し、無症候の感染者の診断と治療による介入を行うことが重要であると考えられた。

    注)男性同性間・異性間両方に記載のある症例は重複して含めている



図5  性的接触歴別報告数推移
SyphilisFig5.png
  • 2023年第4四半期と第3四半期を比較すると、女性の異性間性的接触歴のある報告数は9%減少、男性の異性間性的接触歴のある報告数は26%減少、同性間性的接触歴のある報告例は9%減少した。

    注)男性同性間・異性間両方に記載のある症例は重複して含めている


表1  直近6か月以内の性別性風俗産業の従事歴および利用歴
SyphilisTable.jpg
  • 男性のうち性風俗産業利用歴のある報告例は30%前後(29~34)で推移している。
  • 女性のうち性風俗産業従事歴のある報告例が50%台(51~58%)で推移している。
  • 男性のうち性風俗産業利用歴が不明の報告例が20~30%台で推移している。梅毒に対し有効な対策を講ずるうえで、精度の高い疫学情報が不可欠であり、届出時の不明記載の割合を少しでも下げていくことが重要であると考える。


図6 
男性における性的接触歴別、性風俗産業の利用歴別の報告数推移
SyphilisFig6.png

  • 男性で異性間性的接触歴のある報告例のうち、性風俗産業利用歴のあるものが、2022年第2四半期から80例前後で推移していたが2023年第4四半期は減少した。
  • 性で同性間性的接触歴のある報告例のうち、性風俗産業利用歴のないものは、2022年第1四半期から増加傾向で推移したが、2023年は減少傾向で推移している
  • 男性で同性間性的接触歴のある報告例のうち、性風俗産業利用歴のある報告数および、利用歴不明の報告数は、一定の傾向は認められていない。

 


 

 

図7  先天梅毒の報告状況
SyphilisFig7.png
  • 2023年第4四半期に病型が先天梅毒として報告された届出例はなかった。2023年の先天梅毒累計は3例となっている。
図8  妊娠例の報告状況
SyphilisFig8.png
  • 2023年第4四半期に報告された妊娠例は14例で、2023年の妊娠例累計は63例となっている。2022年に報告された年間の妊娠例は41例であったことから、2023年の妊娠例は前年から53.7%増加した。

(参考)
大阪府感染症情報センター大阪府内で報告された梅毒届出症例における妊娠例と先天梅毒の報告状況(2017~2022)
国立感染症研究所感染症発生動向調査に基づく梅毒の届出における妊娠症例と女性性風俗産業従事者の症例、2019-2021年


「梅毒は感染症法の5類全数把握疾患に指定されています。届出対象となる梅毒症例を診断した医師は「梅毒発生届」を保健所に提出をお願いします。」届出様式はこちら


 pdf版はこちら。




2021年以降の状況

図9 年毎の性別年齢分布
Syphilis_annual_Fig9.png


図10 年毎の性的接触歴別、病型分布
Syphilis_annual_Fig10.png